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近年、室内に生息するダニ類が社会問題として注目されていますが、その主なものとしてヒョウヒダニ類、コナダニ類、ツメダニ類が挙げられます。ヒョウヒダニ類は、主としてカーペット中で人の皮膚から剥落したフケ、食物残渣等を餌として生息します。大発生すると、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、鼻アレルギー等をひきおこすといわれ、特に小児喘息はダニを主体とする家庭内の埃が主因で、ダニを含む埃に対し小児喘息患者の90%以上がアレルゲン陽性反応を示すことが報告されています。
ケナガコナダニは、主として畳に発生しますが、乾燥不十分な新築の集合住宅では畳床が高温多湿となり、ケナガコナダニの生育に適した環境となり異常発生を引き起こし、人に不快感を与えるだけでなく、気管支喘息等のアレルギー疾患の病原になるといわれています。更に、ヒョウヒダニ類やケナガコナダニ類の繁殖に続いてこれらを捕食するツメダニが発生し、しばしば人を刺して虫咬症を引き起こすので問題となっています。
ヒョウヒダニ類はほぼ一年中みられ、コナダニ類、ツメダニ類は6~7月、9~10月の2回発生のピークが認められます。
屋内塵性ダニ対策の基本は、建築方法や生活様式の検討を含む環境改善にありますので、掃除の励行が最も大切です。ダニ類は総じて熱に弱く、70℃、数分の加熱でほぼ死滅し、また乾燥状態での生育も不可能なことから、畳には高周波熱処理や誘電加熱処理、布団には布団乾燥機、カーペットにはこまめな掃除等の物理的ダニ防除法が効果的です。