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蚊はデング熱(ウイルス)、マラリア(原虫)、ウエストナイル病(ウイルス)など多くの重篤な病気を媒介することが知られており、その防除は健康生活の維持の上で、きわめて重要です。また、地球温暖化の影響でこれらの病気を媒介する蚊が日本で大きく広がることが懸念されています。また、もう一つの大きな問題は、日本脳炎(ウイルス)を媒介することで知られたコガタアカイエカです。この蚊の発生源は、主として水田ですが、溜池、堀など比較的水のきれいな所を好み、盛夏に著しい発生のピークがみられます。行動範囲も広く、日本脳炎撲滅の立場から、このコガタアカイエカは現在衛生上、最も重要な害虫で、その駆除は重要です。
衛生害虫としての蚊は、日本で約15種が知られています。そのうち家屋内に侵入するのはイエカです。一方、屋外ではヤブカ等十数種がいますが、何れも吸血行動をするのはメスだけで、オスは草むらや木陰でおとなしく果汁や植物の汁等を吸って生きています。
蚊のライフサイクルは次のようになっています。
吸血は、メスの生存には必ずしも必要ありませんが、卵巣の発育と産卵のために欠くことのできない栄養素を取るのに必要です。吸血されると痒くなるのは、口器の付属器官である唾液腺から分泌される物質のため、皮下で一種のアレルギー反応を起こすからです。